歯を失う原因の第1位「歯周病」

「歯ぐきの腫れ」や「出血」などで気づく歯周病。プラーク(歯垢)に棲みつく歯周病菌によって、歯を支える歯ぐきや顎の骨などの歯周組織が徐々に溶かされていき、悪化すると歯は支えを失って最終的には抜け落ちてしまいます。

かつて歯周病は高齢の方の病気だと思われていましたが、実際には30代くらいから発症する方も少なくありません。そして今日、日本人の約8割が歯周病にかかっている、または予備軍であるといわれており、実に日本人が歯を失う原因の第1位に挙げられているのです。さらには、命に関わるような全身疾患にも深く関わっているため、十分な注意が必要となります。

このように歯周病は大変恐ろしい病気ではありますが、原因がはっきりしているため、適切なケアを行っていけば予防(P13へリンク)することが可能です。積極的に予防を心がけ、大切な歯を守っていきましょう。

こんなに怖い歯周病

歯周病はお口の中だけでなく、次のような全身疾患にも影響しています。

糖尿病
歯周病と糖尿病は深い関係にあり、互いの発症や症状の悪化を招き合います。
肺炎
歯周病菌が過って肺に入り込むことで、高齢者の誤えん性肺炎を引き起こすことがあります。
血液・心臓への影響
歯周病菌が血管に入り込むと血栓ができやすくなり、心臓病や心内膜炎、心筋梗塞、また動脈硬化、脳梗塞などを引き起こすことがあります。
早産・低体重児出産
歯周病菌は、子宮の筋肉に影響を与えて陣痛に似た動きを招くことがあるため、早産や低体重児出産を引き起こしてしまうリスクが高まります。

プラークコントロールが歯周病対策のカギです

歯周病の大きな原因となるプラーク(歯垢)。これをしっかりコントロールすることができれば、歯周病を予防することができます。プラークコントロールのポイントは、次のとおりです。

規則正しい食生活を!

だらだら食べや、3食を決まった時間に食べないなど、食生活が乱れていると、歯にはプラークが残りやすくなります。まずは、食事や間食の時間を見直しましょう。

食べる物を選ぶ!

甘い物をできるだけ控えるのはもちろん、プラークを落としやすい繊維質の多い食べ物を積極的にとるなど、食べる物を意識して選ぶようにしましょう。

定期的に歯科医院でクリーニングを受ける!

毎日きちんと歯磨きをしているつもりでも、なかなかすべてのプラークを落とすことはできません。プラークは時間の経過によって歯石となってしまいます。定期的に歯科医院でクリーニングを受け、歯石を取り除きましょう。

虫歯治療はしっかりと!

虫歯を放置すると歯の表面には段差ができ、プラークがつきやすくなります。虫歯治療をきちんと受けることは、歯周病の予防にもとても重要なのです。

検査方法・治療方法紹介

歯周病治療は進行段階によって適したものを選択する必要があるため、治療の前にはしっかりと検査を行い進行段階を把握します。こちらでは、検査方法と治療方法をご紹介します。

歯周病検査
ポケット検査
プローブという器具をつかって、歯と歯ぐきの間「歯周ポケット」の深さを調べる検査。深さがあるほど、歯周病は進行していると判断されます。
レントゲン検査
レントゲンによって、歯を支える顎の骨の状態を調べる検査。骨密度が低くなっているほど、歯周病は進行していると判断されます。
歯の動揺度検査 ピンセットで歯をつまみ、歯がどれだけ動くか調べる検査。グラつきが大きいほど、歯周病は進行していると判断されます。
進行段階と治療方法

軽度歯周病

歯ぐきが軽く炎症を起こしています。痛みはまだありませんが、歯磨きをすると出血することがあります。

【歯磨き指導】

一人ひとりのお口の状態に合った歯磨きの方法を指導します。ご自宅での歯磨きは、歯周病の治療・予防にとても重要。しっかり身につけましょう。

【スケーリング】

スケーラーという器具を用いて、歯周病菌の原因となるプラーク・歯石を徹底的に取り除きます。

中等度歯周病

歯ぐきの炎症に加え、顎の骨が溶かされています。歯は少しグラつきはじめています。

【ルートプレーニング】

歯周ポケット内のプラークや歯石を取り除き、でこぼこになった歯根の表面を滑らかにしてプラークの再付着を防ぎます。

【フラップ手術】

歯肉を切開して、歯周ポケットの奥深くに付着した歯石を取り除く手術。同時に汚染された歯肉も取り除きます。

重度歯周病

顎の骨が半分以上溶かされ、痛みも現れています。歯のグラつき・口臭が悪化しています。

【GTR法】

歯周病によって溶かされた顎の骨を再生させる治療。メンブレンという特殊な膜を入れてスペースを確保し、骨の再生を促します。メンブレンは再生後に取り除きます。

【エムドゲイン法】

GTR法と同じく、歯周病によって溶かされた顎の骨を再生させる治療。エムドゲインゲルという薬剤を注入してスペースを確保し、骨の再生を促します。ゲルは取り除く必要がありません。

歯周病になる前にしっかりと予防をしましょう。くわしい予防方法はこちらで紹介しています。